医師の働き方改革は医師の労働時間の上限規制や健康確保措置の義務化などを内容とし医師の労働環境を改善するための取組みです。
2024 年4月に施行され医療機関は医師の労働時間を管理し適切な働き方を実現することが求められました。改革が行われ1年経過したところですが、厚生労働省は大規模な混乱が生じていない点を評価しているようです。
しかし、実際の現場ではさまざまな意見が上がっており、評価とは異なる実態があります。勤務医の労働時間が形式的に短縮されても、業務量が減らないため、かえって業務密度が増し疲弊している医師がいます。また、時間外手当の減少により、収入が減ったと感じる医師は少なくありません。さらに、若手医師を中心に自己研鑽や症例経験を積む時間が減り、ス
キルアップへの影響が懸念されています。
改革は医師の健康と医療安全に寄与する一方で、人材不足や若手育成といった構造的な課題に直面しており、現場の負担や将来的な医療の質への懸念が払拭されたわけではありません。
今回、現場の生の声を集約するために「医師の働き方改革 ~1年を振り返る~」をテーマとして7名の先生に寄稿をいただきました。今後も様々な団体から働き方改革に係る調査が実施されますが、ご協力をよろしくお願いします。