ー若手勤務医からのメッセージー
「患者のために」

原三信病院 泌尿器科 部長  眞﨑 拓朗

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先日、高校の同級生3人でKANさんの「愛は勝つ」を聞き、若い時に感じることができなかった素晴らしさに心が打ち震えた昭和49年生まれの50歳、原三信病院泌尿器科の眞﨑拓朗と申します(若手ではございません)。

当科は泌尿器全般に加えて尿失禁や性機能障害など専門性の高い領域の診療を行い、尿管ステント留置、外傷や小児の精索捻転等々の緊急の受け入れも多く、入院患者が常時70名以上、予定手術が週間50例前後と、泌尿器科医にはとても恵まれた環境です。手前味噌でございますが地域医療に少しは貢献できていると思っております(忙し過ぎて泣きそうになることもあります)。

このような素晴らしい原三信病院で2008年から勤務し、時に荒波にさらわれそうになりながら18年目に突入ました。腎結石や尿管結石いわゆる上部尿路結石の診療を行うことが徐々に多くなったことや、学会でのシンポジウム、尿路結石症診療ガイドライン作成や尿路結石全国疫学調査に関わったりで「結石ばっかりやってるんでしょう?」と、有難いお言葉をよく頂戴するようになりました(他の疾患も診てます)。

結石治療に関しては、この間にレーザーをはじめとする周辺機器の進歩が治療成績向上に大きく貢献し、治療の主役が体外衝撃波結石破砕術(ESWL)から経尿道的結石砕石術(TUL)に変わり、合併症の多さから行う施設が少なかった経皮的結石砕石術(PCNL)がTULの併用によって安全性が向上し積極的に行う施設が増加する等、患者さんにとって良い変化がみられ、この好転はもうしばらく続きそうです。

ただし、変化が医療者や病院に良い結果をもたらしたとは言えず、変化に日本の医療体制が追い付いていないために患者さんにとってより良い医療を提供しようとすればするほど首が回らなくなるという板挟みに陥ることも多くなったと感じます(使い捨て機器の使用とか働き方改革とか)。

医療を取り巻く状況が困難でくじけてしまいそうになる時もありますが、正しい医療を目指していつも実直に、どんな症例でも快く了解をくださる麻酔科医師、昼夜問わず業務をしやすい環境を整えてくれる手術室のスタッフ、最前線で患者さんを守ってくださる看護師、患者さんのために労務を厭わず動いてくれる職員の皆様への感謝の気持ちを忘れず、原三信病院のモットーである「病人のための病院」を胸に、我々の想いが届く日を来ることを信じて、竜崎のように原理原則にのっとり、鮫島のように息を深く吸い長く吐いて、ニールのように30秒フラットで気持ちを整え、ヴィンセントのような熱気をもって、愛のために、目の前の患者さんのためにこれからも微力を尽くし続けようと思います。

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