ー大学医局の動向ー
「地域から世界を見据えた医療へ」
産業医科大学医学部 第1内科学講座
教授 中山田 真吾
本講座は1978年に開講され、初代・鈴木秀郎教授、第2代・江藤澄哉教授、第3代・田中良哉教授の後を継ぎ、2025年より私が第4代教授に就任いたしました。大学病院では「膠原病・リウマチ内科」と「内分泌・糖尿病・代謝内科」を担当し、最新のエビデンスに基づきながらも、常に患者さん一人ひとりの思いに寄り添った医療の提供を心がけています。
教育では、病気だけでなく“人を診る”ことのできる内科医の育成を大切にしています。専門医の養成はもちろん、大学院教育や若手医師の自由な発想を尊重する環境づくりにも力を入れており、多くの医学博士や留学生が巣立っています。臨床では、地域医療との連携のもと、関節リウマチや全身性エリテマトーデスの大規模レジストリを運用し、分子標的治療薬の適正使用や個別化医療に取り組んでいます。糖尿病診療においても高度な個別対応を行い、教育入院や持続血糖モニタリング(CGM)など先進的な技術の導入により、質の高い医療を提供しています。研究においては、日々の診療で得られた疑問や課題を出発点に、基礎と臨床の橋渡しとなるトランスレーショナルリサーチを展開中です。AMEDや厚生労働省による多施設共同研究にも、研究代表機関あるいは分担施設として参画しています。日本の最先端医療の実践やエビデンス構築、そして国際的に注目される研究成果の発信にも力を注いでおり、地域から世界へと成果を発信できるように努めています。
これからも講座員一同、地域の皆さまに信頼される医療・教育・研究の実践を目指してまいります。医師会の皆さまには、今後とも変わらぬご指導とご鞭撻を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。