ドクター&ナースのつぶやき

 

平成29年6月号

 訪問看護ステーション ハートケア・いこい は 平成18年6月に開設し、今月で12年目を迎えます。一看護師だった私が経営するには沢山の不安がありました。様々な医療・介護関係者と出会い、指導やアドバイスをして頂き、温かい心に支えられ、今日に至ります。会社の理念「利用者や職員もここに関われば憩のひとときが過ごせる」を基に活動しています。核家族化が進み、老々介護や、近隣とのコミュニティ不足など、様々な問題があります。高齢者の不安や孤独に耳を傾け、例えるなら、遠い親戚の気持ちで一人一人と向き合って、微力ながらのサポートに日々奮闘しています。
 当ステーションは、北九州市の中央部に位置している戸畑区にあり、市内で最も面積の小さい区です。北西部の海岸には、赤いシンボルの若戸大橋があります。日本における長大橋の始まりであり、建設当時は東洋一の吊り橋だったそうで、訪問でこの若戸大橋を往復し、洞海湾を眺める日常は気分転換になっています。橋の話題が広がり、患者さんの若き日の背景を知る一助にもなっています。

 職員は、看護師(6名)、理学療法士(2名)、事務員(1名)、併設の施設はなく、単独のステーションです。スタッフが、子育てや介護をしながらでも少しでも働きやすい職場づくりを目指し、頑張っています。また、看護学生の実習を受け入れ、地域貢献や看護人材の育成につながればと積極的に取り組んでいます。その事で、学生から学ぶ事も多く、初心を忘れない良い機会となり、自己研鑽にも役立っています。

 開設当初は、訪問看護の認知度がまだまだだなぁ~と感じる事もありました。「訪問看護指示書?どの様に書くの?」といった質問をされる医師もおられましたが、気づけば訪問看護の認知度は上がり、ここ1~2年で訪問看護ステーションの数も激増し、訪問看護ステーションもサービスや質の競争社会へ突入してきた様に思います。
 そんな中、当ステーションも昨年、サービスと質の向上を考える岐路となりました。スタッフと話し合い、年中無休の体制へ変更しました。そもそも日、祝日は活動していましたが、「重症者だけ」「点滴や医療依存度の高い方だけ」とこちら側が線を引き、理由づけして、軽症者はお休みしていました。大変な覚悟が必要でしたが、「助かります!」「休日も来てくれて安心です!」など利用者やケアマネージャーの喜ぶ声、感謝される声に励まされています。これからの時代は、利用者が日・祝日の活動の有無を決定する時代なのでは?と思う今日この頃です。しかしながら、慢性的な人員不足に悩まされ、当ステーションも看護師を募集してもなかなか応募者が来ない状況です。経営する上で利用者確保・人材確保・ワークライフバランス全てのバランスが整わないと上手くいきません。これは永遠の課題です。
 訪問看護師の仕事は楽しく、好きな仕事が出来て感謝の毎日です。今後も努力しながら、良い看護が提供出来るよう患者さん一人一人と向き合い、選ばれるステーションを目指し、頑張っていきたいと思います。

訪問看護ステーション ハートケア・いこい
管理者  西  智子
〒804-0043 北九州市戸畑区観音寺町8-11
TEL093-863-6041  FAX093-863-6042
E-mail ikoi@smile.odn.ne.jp

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