第3回心のふれあい大賞作品集
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⃝中高生の部 優秀賞 ― 「「命」がつくる、人の輪」 僕は今まで姉としっかり向き合ったことがない。意思疎通が出来ないし、なんとなく寂しかったからかもしれない。もしも、お姉ちゃんが健常者だったら…と何度も思った。でも、障がい者の姉の周りには常に人の輪がつくられている。姉の周りにいると「命」あることの大切さに触れることができるのだ。 障がい者の親同士のコミュニティでは、多くの障がいのある子の死にも直面する。今日の昼までそこにあった命が消える、障がい者にとって死はとても身近なものだ。毎日「命」があるかないかが大事、でも、だからこそ周りの健常者は、普段意識しづらい「いま生きている」ということを実感できるのではないだろうか。 姉を支える人たちは、みんな姉の命を愛している。静かに、けれども確かに生きている命に、「自分たちが生きていること」を教えられているのだ。 姉は、今幸せなのか、僕にはわからない。しかし、周りの人の心を動かすパワーが、たくさんの人の心を繋ぐパワーが、姉の中にはあるような気がする。 世の中には、障がい者を軽視する人がいるかもしれない。しかし、よく考えてほしい。そこにある命には、たくさんの人の輪があるということ、その命を愛する人がいるという事を。13

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