第1回作文コンクール優秀作品集
6/24

⃝一般の部 最優秀賞 ― 「ありがとう」だったように安心感を与える会話をしてくれた看護師さん。 たくさんの方に囲まれ、主人も立ち会うことができ、わらちゃんは自分の力で生まれてきてくれました。そして二十一分間、私たちの間で生きていてくれました。その後三日間子ども達も一緒に過ごさせて頂きました。 看護師のSさんは、夜中にわらちゃんの手形と足形を手作りの可愛いカードに残してくれていました。子ども達がわらちゃんとの初対面で、すぐに「かわいい!」と抱っこしたことを一緒に喜んでくれました。こんな時でも「お母さん、寝ないとダメですよ。ごはんも食べてないでしょ。」と叱ってくれました。病院で過ごす最後の日、見送ることができないからと汗だくで、「わらちゃんに似合うと思って。」とピンクのお花を届けてくれ、抱っこし、いっぱいお話してくれました。そして、母子手帳にまで、そっとメッセージを添えてくれていたことを後から知りました。 わらちゃんを抱き、泣いたり笑ったり、一緒にいてくれたみなさんで送って頂きました。H先生が長い間手を合わせて下さる姿を見て、命と向き合い続けている先生は、わらちゃんにどんな言葉をかけてくださっていたんだろう。と今でも思うことがあります。 わらちゃんを出産し、小さな命の奇跡に感動し本当に愛おしく思う温かさでいっぱいの自分の気持ちに驚きました。悲しみや寂しさよりも大きな穏やかさでした。 それから三ヶ月。自分の中に沸き上がる様々な気持ちと対峙しながらの生活ですが、わらちゃんの肌や温もり、重さを想いながら、大きな穏やかさに包まれたままでもあります。子ども達も少しお姉ちゃん、お兄ちゃんになり、変わらずわらちゃんを大切に! 大切に! 想っています。 私も家族も前を向けているのは、周りにいてくださる方々の支えのお陰です。その中でわらちゃんが生きた輝く瞬間を共に過ごしてくださった先生方や看護師の方々と出会えたことに、強い力を与えられたと思っています。人を、命を、それぞれの関わり方で一生懸命守り、寄り添って送り出してくださる方々に背中を押された気がします。ゆっくりとグーに結んだわらちゃんの手が運んでくれたことを感じ続ける第一歩となりました。“ありがとうございました”5

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です