勤務医のつどい 第53号
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⑵ 勤務医のつどいともに語ろう、ともに考えよう、ともに行動しよう 平成26年に専門医機構が設立され、26年度中に新しい各領域の認定基準をつくることになっていた。しかし、現在、進行しているのは専門医更新基準の策定で、現在の学会認定の専門医の更新は今年から機構が行う。 また、27度中に各基本領域のプログラムを審査する。平成28年度から専攻医(後期研修医)の募集を行い、29年度から新しい制度で研修を開始する。内科学会は3年、麻酔科学会は4年と様々だが、研修が終わった時点で試験を行い認定となる。 4、5年前から日医生涯教育推進委員会で、総合診療医について議論しているが、日本医師会は専門医機構が認定する専門医ではなく「かかりつけ医」を考えている。日本の場合、専門医の先生は開業したらそれまでの自分の専門以外の疾患も診療する。その先生方は専門医だが、地元の「かかりつけ医」であることが多いので、日本医師会では、そういう先生が地域に貢献する「かかりつけ医」と考えている。 また新たに総合診療医をつくった背景には、医学部に地域枠が導入され、現時点で医学部定員約9,000人のうち1,300人程が地域枠の学生であることが考えられる。地域枠の学生はへき地での診療が義務になり、専門医を取りにくい状況なので、地域枠の先生や自治医大出身の先生が取りやすい専門医という特徴がある。 昨年、日本医師会からかかりつけ医の定義が出されたが、今まで日本医師会が提唱してきた地域の開業の先生方を想定している。しかし、曖昧なので、福岡県医師会の津田先生が全国で初めて福岡県医師会認定総合医(新かかりつけ医)制度を始められた。鹿児島県医師会でも、福岡県医師会を参考に同様のかかりつけ医制度をつくった。この制度により、5年後に創出される総合診療医との区別ができる。 新専門医制度は、その制度を確立することに課題があるが、5年後には総合診療医が出てくるので、このことがより大きな課題になると考える。 現在は、認定内科医制度の上に総合内科専門医制度があるが、今後、認定内科医制度はなくなる。総合内科専門医制度は、新内科専門医制度へ変わり、内科指導医も新内科指導医へ変わる。 現在の認定制度では初期研修2年、後期研修1年を経て、所定の要件を満たしていれば認定内科医の審査を受けることができる。その3年後に総合内科専門医の審査を受けることができ、その中の一部の医師が内科指導医を委託される。この制度は平成27年に医師免許を取得した医師にはもはや適用されない。これまで依頼を受けて内科指導医となった人達も時間をかけて内科指導医でなくなる。 これに対し、新内科専門医制度では初期・後期研修の4年を経過したところで病歴を提出し、審査に通れば、1年後に筆記試験があり、合格すれば新内科専門医となる。循環器内科専門医などは、さらにその1年半後から試験を受けられるようになる。また、新内科指導医の資格は、新内科専門医を取得後、3年間のトレーニングを受けた医師が取得する。 これまで13の内科系学会が協議を重ね、昨年12月にカリキュラム案とWeb研修手帳案を作成した。研修カリキュラムでは内科全体の領域を全部で67のカテゴリー(虚血性心疾患等)に分類し、各カテゴリーで最低1例の経験を必須としている。今後は、少ない領域の疾患のみ経験して新内科専門医になることはできず、内科全般の臨床経験が求められ、これには高齢者医療・腫瘍・内科一般の経験が含まれる。専門医取得に必要な症例の登録はWebを通じて行う。専攻医(新内科専門医を目指す研修医や後期研修医)は自身のWeb研修手帳に経験した症例を登録し、それがサーバーに記録される。その情報を指導医が評価するという方法である。 新専門医取得には、認定された施設・プログラムで初期研修および後期研修を受けなくてはならない。研修プログラムの整備と専門研修施設群の構築がされて、それが認定機構に承認されれば施設認定基準を満たすことになる。専門研修施設群とは、専門研修基幹施設・専門研修連携施設・専門研修特別連携施設で構築され、基幹施設は新指導医が3名以上、連携施設は新指導医が1名以上とされている。現行の施設認定基準の1つに内科剖検体数が年間10体以上とあるが、現況にそぐわないのでこれは変更される。多くの要件を満たす必要があるが、特にJMECCを定期的に開催することが必要であり、現在の開催数では不十分なため各病院で普及を急ぐ必要がある。新しい施設基準への移行について、病床数が400床以上の教育病院の83%は基準を満たすと試算されているので、移行は十分可能である。しかし、幅広い研修が可能な基幹施設数は、九州内でも地域間格差が大きく、基幹施設が少ない地域も出現する。平成27年国試合格者は全員この制度の適用となり、それ以前の卒業生にも適用される。遅くても平成29年4月には研修プログラムおよび専門研修施設群が認定されている必要があるので各地域・施設で早急な対応が必要である。新・内科専門医制度産業医科大学第2内科学教授 尾辻 豊医療のエコロジーからみた地域医療と専門医制度宮崎大学名誉教授/宮崎市郡医師会病院特別参与 池ノ上 克平成3年に当時の宮崎医科大学に赴任後、年間約11,000件の分娩をカバーする宮崎県の周産期医療システム作りに着手し、平成10年から実働して現在に至っている。その中で、宮崎県の分娩5万1,000例(2001年~2005年)を調査したところ、大学病院の総合周産期センターでの分娩は約3%、各地の地域周産期センターで約17%、残り約80%は診療所の開

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