勤務医のつどい 第51号
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勤務医のつどい ⑶ともに語ろう、ともに考えよう、ともに行動しよう 医療・介護は成長産業だという。どうしてそんなことが言えるのかと思う。聖域なき構造改革以来、医療に対する経済的抑制は収まりなく続いている。 病院では在宅復帰支援という名の追い出しが始まり、本当は家でもない介護施設や住宅に押し込まれてしまう。経済的に余裕がある人たちだけが「成長産業」の恩恵にあずかり、墓場まで持って行けないお金をむしり取られる。お金の切れ目は介護の切れ目である。普通の人たちは、あてもなく特養が空くのを待ち続けている。 誰が患者の望まない施設や、望まない住処への移住を強要できるのだろう。それでも診療報酬の締め付けのため、医療機関が生き延びるためには、患者に譲歩をせまらなければならない。その嫌な役目は、法律や政令を決めた人たちではなく、常に現場の人間に押しつけられる。患者も医師には逆らえない。ソーシャルワーカーや看護師より、やはり医師からの説得に嫌々ながらも応じるのだ。その時の自己嫌悪感は何とも言えない。「人権を無視しているのではないか?」という疑問すら沸き起こる。後に残るのは無力感だけである。 しかしそんな青臭いことを言っていては、病院の経営など出来ないのだ。職員の給料を払うために病院も必死である。高齢者は商品としてしか扱われていないように見える。お金を生み出す商品にのみ投資し、それ以外は極力切り捨てる。 高齢化社会が困るのであれば、最初から高齢者の医療を制限したらどうだ。実際その傾向も出てきている。そうすれば不幸な介護難民も生まれないで済むかも知れない。しかし生きる権利は保障されるのか。非生産年齢である子供、老人に冷たい国に未来はあるだろうか。 この国の医療・介護は成長産業などではない。いわばブラック産業だ。勘違いしてはいけない。3 医師会理事として 北九州市では昨年の12月の時点でB会員が978名、C会員が7名、A会員が842名と勤務医の先生方の方が多い状態です。これからも勤務医の先生方の入会が予想されますし、今後の医師会の方向性を考えると勤務医の先生方に魅力的な講演会や委員会活動を継続していくことが医師会の使命と思っています。 八幡の理事をはじめて8年目となりますが、他の区の先生方、県内の筑豊、筑後、福岡ブロックの先生方とも交流ができますし、有能な方、すばらしい先輩方との出会うことができて、自分自身の研鑽にもなっています。 北九州市医師会ではアフター理事会で毎回AB会員交えての親睦を深めさせていただいています。今後も医師会の委員会には勤務医の先生方にも委員となっていただく機会を増やして、開業医、勤務医の垣根を越えた場として発展するべきと思っています。 4 臨床研修懇話会の紹介 八幡医師会では区内で研修する研修医の先生方を対象に年に1回の懇話会と超音波研修会を開催して5年目となりました。昨年11月には西伊豆病院の仲田和正先生に「実戦整形外科的外傷学」という演題で講演していただき、ジェスチャーを交えた骨格筋の神経支配の覚え方や一目で骨折部位を見分ける方法など開業医にとっても有意義な講演でした。 研修医からの発表は「痛みの診断・治療に苦労した症例について産業医科大学、福岡県済生会八幡総合病院、製鉄記念八幡病院、九州厚生年金病院から各施設の研修医が経験した貴重な症例を発表していただきました。 超音波研修会は腹部と心臓の2回に分けての実技を伴う研修と症例検討会や心エコーは2月にフォローアップ研修会を行いました。研修した地である八幡での医師会のインプレッションが残って、その後の医師会入会や赴任先での医師会活動に協力をいただければ、開催側としても嬉しい限りです。5 さいごに 以上現在の私の立場からの私見を病院の先生方へ述べさせていただきました。卒業して勤務医となったものの、自分自身も父の開業医としての生活を知ってはいたものの、自分で開業すると全く未知の世界でした。普段の医師会活動、研修医の先生方を通じて今後も勤務医の先生方と交流を深めて地域の医療に貢献していきたいと思っています。1 開業医として、地域医療、日頃の医療連携を通じて 勤務医の生活でバーンアウトしそうな気配を感じて、たまたま勤めていた市立八幡病院の近くで開業して16年目となり、この稿を担当することとなりました。政令指定都市では高齢化率の高いことで知られる北九州市で開業していますので、日頃の製鉄記念八幡病院、済生会八幡総合病院、北九州市立八幡病院、北九州八幡東病院との連携では勤務の先生方や病診連携室のスタッフの皆様と緊密な連携をさせていただき、感謝いたします。 年が明けて本稿を依頼されましたが年末から1月にかけては年末年始の短い間、ご自宅でご家族とともに楽しいひとときを過ごされた、患者さんやご家族の方々が大変喜ばれておられたことをこの場で述べさせていただきます。もちろん訪問看護、訪問入浴や訪問介護のスタッフの支えがあったことも忘れてはなりません。2 臨床研修指導医として 平成17年より新日鐵八幡記念病院(現在は製鉄記念八幡病院)より2年目の研修医の先生方が当院で研修を開始されて、9年が経過しました。病院からいきなり個人の診療所に場が移りますので、研修医の皆様も戸惑いがあったかと思いますが、すぐに適応できる方、いきなり膝や腰が痛いと言われて、風邪もひいているなどの訴えを外来で耳にするので、困った研修医の先生方もおられた印象です。 問診、診察(俗に言うhistory and physical)から外来が始まりますが、救急外来、病棟でも同じ順番かと思います。検査に先走らず、時間をかければ、ある程度の診断の目処は立ちますし、急を要さなければ、再診を約束するなり、より専門的な検査が必要ならば近隣の急性期病院に日頃の連携を生かしてお願いすれば、いろんなストレスからも解放されるようです。 研修2年目ですので、病院に紹介される患者さん、手術や治療が終わって診療所に紹介される患者さん、緊急に検査等が必要で救急搬送される患者さんに対する対処方法や医療情報の書き方、介護保険における主治医意見書の書き方などを覚えていただいています。 今年度は製鉄記念で研修されたM先生が、製鉄記念の救急・集中治療部で後期研修中とのことで大変嬉しいニュースとなっています。「患者の希望を無視する 医療に未来はない」社会保険稲築病院 定村 伸吾「地域の医師、研修指導医、 区医師会理事と北九州市医師会 理事の立場から」北九州市医師会 理事 井手誠一郎診療所から病院の先生へ若手勤務医からのメッセージ

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