勤務医のつどい vol.47
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診療所から病院の先生へともに語ろう、ともに考えよう、ともに行動しよう 北九州八幡の地に開業して15年目となります。地域的に基幹病院が多く、病診連携も今や成熟しつつあり、当方としては患者さんの紹介の面で非常に助かっています。改めて勤務医の先生方および連携室の皆様方に心より御礼を申し上げます。 勤務医時代にいつも思っていたことですが、なぜ開業医は週末に患者を紹介してくるのだろうか?患者さん自身またはその家族が仕事を休みたくないので受診が遅れ、週末まで待った挙句ひどくなってようやく受診するが、すでに開業医でのフォローは難しくなっていることが意外と多いようです。 勤務医の先生にフォローされている患者さんのお話を伺うと(確かに勤務医時代には患者さんと悠長にお話する閑もなかったような気もしますが)「新しく薬を出されて6ケ月たつんやが、あたしにゃ合わんけん飲んどらんのじゃが、それいうたら怒られるかもしれんけん言いきらん。どげんしたらええじゃろか?」。このての患者さんも数人います。 私も、勤務医時代には以上のような患者さんの心理を憶測・理解するような余裕はなかったように思います。 開業すると勤務医の場合と異なり、すぐ傍に気軽に相談できるドクターはいません。できるだけ自分で診断・治療を行いたいとは思いますが、間違うことが何より心配です。従って、ともすると基幹病院に紹介する必要のない患者さんまで(できるだけ週はじめに?)送ってしまうことも多いようです。ご迷惑でしょうが、どうぞお察し下さい。 基幹病院それぞれの連携室にも特徴があり、開業医が相談しやすい連携室というものは勤務医にとってはある意味“うざい存在”であるかもしれません。私が今も勤務医だったら、たぶん、思わず連携室の職員さんに“しぇからしいわいっ”と言ってしまいそうな…。ほんと連携室のドクターを含めての皆様大変お疲れ様です。 ふたつほど苦言をお許し下さい。まず7年ほど前、急性胆のう炎の患者さんの希望で、勤務医の先生との面識もほとんどない比較的遠方の基幹病院へ紹介したときのことです。腹腔鏡下胆のう摘出術が行われ、術後5日目に退院されたのですが、患者さんの家族は“あぶないところだった”と説明されたと言ってどなりこんで来られ、とても不快な思いをしました。説明したのは若いドクターだったようですが、言葉の使い方には注意して頂きたいと思います。また、紹介した患者さんが入院になった場合、診療報酬の関係で入院期間が限定されるためと思われますが、手っ取り早く患者さんの症状をとろうとするあまり?入院するたびに薬がどんどん増えていく現象も困ります。その後どうやって減らそうかと悩みの種になります。 虎の威をなくした(?)生意気な一介の開業医が、なんかとっても偉そうなことばかり書いており誠に申し訳ございません。有り難いことに少なくとも私が勤務医だったころに比べ、病診連携推進方針の影響で勤務医と開業医の溝がどんどん少なくなっているように感じます。以上、勤務医、開業医を両方経験した今だから解ることもあり、そのあたりを思いつくまま文章にしてみました。病院の先生方、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。開業してわかったこと、思うこと。とどろきクリニック 院長 轟木 元友若手勤務医からのメッセージ大学医局の動向 久留米大学病院での医局は昔ながらの医学部講座がそのままのかたちで医局と称して運営されている。 我々の学生時代の内科や外科の医局の呼び方は、医学部講座主任教授の名前がそのまま付いた医局やナンバーの付いた第一内科や第一外科学講座というような内科・外科が有り、附属病院の診療部門ではその講座のままの名前の病棟や外来で診療が行われていた。今こそこの教授の名前の付いた呼び方は無いが、外科では未だに旧第一外科、旧第二外科などという呼び方をすることもある。しかし、現在の診療体制が臓器別や病態別の診療部門となり、内科や外科などそれぞれの専門医たちが専門の部署でチーム医療を行うようになり、外来診療では消化器病、循環器病、呼吸器病センター、肝癌センターなど、また病棟では総合周産期母子医療センター、集学治療センター、腎センター、高度救命救急センターなど、それぞれに必要な専門医によりチーム医療が行われている。しかし、そこには医局と称するものがほとんどなく、唯一存在するのが救命救急センターのみである。この救命救急センターは、消化器内科、心・血管内科、腎臓内科、小児科、外科学(旧第一、旧第二)、整形外科、脳神経外科、救急医学講座などの医学部の各講座から派遣された専門医により連携のとれたチーム医療を行っている部局である。ところが、その他の中央化された各診療部門(センター)には医局は無く、以前のままの講座を医局と称して運営しているためになんとなく診療部門において混乱を招いているところもみられる様である。 今後はこのような連携のとれたチーム医療により、特定機能病院としての診療がスムーズに行えるように、病院の診療部門(医局)と医学部講座(教室)のすみ分けも必要になってくるものと思われる。連携あっての良い医療医局と学部講座(教室)の混同 卒後4年目にあたる2年前、出身地である飯塚市に帰ってきました。昨年度は飯塚病院、今年度は済生会飯塚嘉穂病院で呼吸器科医としてお世話になっています。生まれ育った環境で思っていた以上に居心地良く過ごすことができました。見知らぬ地域と違い、患者さんの住所をみて場所の検討がつきますし、開業医の先生方の病院も他の地域よりは知っています。患者さんに聞かれたときに答えやすく紹介もしやすい点はとても良かったです。このような環境で働く中で、開業医・中規模病院・救急病院、それぞれの役割や在り方について、これまで以上に考えるようになりました。連携なくして医療は成り立たず、連携できているからこそ患者さんの選択肢が広がりより良い医療を提供できるのだと感じました。 さらに地域連携だけではなく、院内スタッフ間の連携の大切さも年々身にしみています。患者さんとより密接に関わってくれる看護師、患者さんの背景に寄り添いトータルコーディネートを考えてくれるソーシャルワーカー、ADL向上に携わってくれるPT/OT/ST、様々な職種の方に患者さんは見守られています。医師になりたてのときはコメディカルの方との連携をうまくとれないこともあり多々迷惑をかけてきた気がします。情報共有することで、仕事の効率は格段にアップすることが分かってきました。自分一人でできる容量は限られていて、今の仕事をこなせているのは周囲の支えがあってこそです。 毎年病院を変わると、最初はなかなか効率アップできませんが、より早く馴染めるよう人見知り克服が大きな目標です。次の4月からは久しぶりに地元を離れます。緊張の日々が始まりますが良い刺激を受けながら励んでいこうと思います。すべては患者さんのために、スタッフ間、近隣施設との医療連携を大切にしていきたいと思います。坂本 照夫久留米大学医学部 救急医学講座 教授大庭ひろみ済生会飯塚嘉穂病院 呼吸器科⑷勤務医のつどい

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