勤務医のつどい vol.45
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ともに語ろう、ともに考えよう、ともに行動しよう⑷勤務医のつどい病院の先生方は開業医にとっては宝物なのです診療所から病院の先生へ 午前、午後の縦並びの予定手術を終え、夕方6時ころ病棟の回診にいくやいなや婦長さんが「城戸先生、○○先生から、腹痛の患者さんが紹介入院になってます。先生が主治医ね。」○○先生といえば近くの内科の先生で、診断はきわめて的確、この時間の紹介だとおそらく重症、緊急オペの可能性が高い。紹介状には「35歳男性。夕方より、腹痛悪化。腹膜炎と思います。よろしくお願いいたします。」と端的に記載してある。患者さんに会いに行ってみると、顔色も悪く、予想どおり、上腹部中心にデファンスがあり、術後の患者さんが落ち着いていることを確認して、再びオペ室へ。緊急手術を終え、病院がとってくれたお寿司を夜中の12時にみんなで食べる……。今から10数年前、私が勤務医だったころのことです。忙しい毎日でしたが、なんと医療法人城戸医院 理事長 城戸 祐一郎なく楽しく、充実感がありました。外科の先輩である副院長は地域の開業の先生との連携を非常に大切にしておられ、たくさんの患者さんを紹介していただいていました。手術のみでなく、紹介状への丁寧な返事を書くこと、手術が終わったあとにすぐに紹介していただいた先生に電話連絡すること、退院のご報告をきちんとすることなど、医師としての基本的な姿勢をご指導いただきました。「城戸君、患者さんを紹介してくださる開業の先生には感謝しなければならないよ。」と。さらに、定期的に地域医師会の先生方と病院で症例カンファレンスを開催し、お互いに顔が見えて、紹介、逆紹介のときに非常にスムースに連携が取れるようになりました。 その後、父の後を継いで八女市で開業し、15年目となりました。自分の専門以外の患者さんを診ることが多く、地域の先生方(開業医、病院の勤務医)と連携なくしてはやっていけないということを実感しました。患者さんも0歳から100歳以上、頭から爪先までさまざまの疾患で受診されます。専門外の難しい疾患に遭遇すると、各ご専門の先生に紹介してみてもらうようにしています。乳がんだったらA病院のB先生、認知症だったらC病院のD先生といったように、多くの先生方と連携がとれるようになりました。連携なくしては患者さんに対してベストの医療を提供できないと思います。開業医にとっては、病院の先生方は本当に頼りになる存在ですし、病院の先生方との連携は自分にとっては宝物だと思っています。 産業医科大学は1978年に創立され、今年で33年目を迎えました。耳鼻咽喉科学講座は岡本健初代教授の下に開設され、私で3代目にあたります。100万都市北九州市の医科大学の耳鼻咽喉科学講座として耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の診療・研究・教育に取り組んでおります。 講座の体制は、私以下、講師2名、学内講師3名、助教(社会人大学院生)2名、専門修練医7名、研究補助員2名、検査技師1名、秘書1名、海外からの留学生1名の総勢20名です。当病院の総ベッド数は618床で、うち耳鼻咽喉科の専用ベッド数は32床です。診療は疾患別に中耳炎や難聴などの耳科疾患、鼻副鼻腔炎・腫瘍などの鼻副鼻腔疾患、口腔・咽喉頭悪性腫瘍、唾液腺・甲状腺疾患の4つの領域に分けて担当し、専門的な診療体制をとっています。研究分野では、炎症性鼻副鼻腔疾患の病態、中耳真珠腫の病態、アレルギー性鼻炎モデルマウスにおける細菌感染の影響、頭頸部癌におけるシスプラチン耐性獲得機構などについての研究を展開しています。また社会人大学院生らは、生理学教室で視床下部・下垂体系におけるストレス反応についての基礎的研究を行っています。さらに産業医学とも関連する領域として、鼻呼吸障害や睡眠呼吸障害が高次脳機能や認知機能に与える影響についての研究も行っています。卒後教育前期課程では選択科目として2年目で耳鼻咽喉科を選択することができます。後期課程では耳鼻咽喉科所属の医局員として上記4つの診療グループに配属され、4ヶ月ごとにローテーションします。社会人大学院制度も導入されており、臨床を行いながら大学院で勉学することも可能です。 私が着任してから7年目を迎え、診療・研究の実績は着実に伸びつつあると感じています。これからもますます臨床面、研究面が発展するよう、医局員一丸となって努力していく所存です。今後とも引き続きご指導ご鞭撻をいただきたくお願い申し上げます。大学医局の動向褥瘡との出会い大学医局の動向 私が褥瘡と初めて出会ったのは当院に最初に赴任した平成11年でした。当時当院では既に医師、看護師各数名による院内の褥瘡回診が行われていました。褥瘡対策未実施減算の実施が平成14年からですから随分先進的な取り組みであったと思います。それまでの私はと言いますと、病棟の看護師から褥瘡が発生したという報告を受けると創も見ずに皮膚科に診察依頼を書き、結果「イソジン消毒をしてユーパスタを塗布しガーゼ保護」という今では考えられないような指示が画一的に出されるため、当然創は改善しないわけです(ユーパスタが必ずしも悪いわけではありません。創の状態の評価をしてから選択して下さいということです)。こういった訳で当時多くの方がそうであったと思いますが、私の頭の中には「褥瘡は治らないものである」という固定観念が形成されていました。しかし回診に参加してみると、そこでは創を観察し、評価し適切な外用剤やドレッシング材を選択することによって褥瘡は確実に改善していくという現実を目の当たりにして褥瘡治療の面白さを実感したものでした。それから幾つかの病院で褥瘡対策委員会の委員長を歴任し、褥瘡治療の醍醐味を力説するのですが、医師はおろか一部を除き看護師にもなかなか理解してもらえず歯痒い思いをしながら孤軍奮闘してきました。平成19年に再度当院に赴任となり、現在は手強い褥瘡を相手に日々悩ましくも楽しく格闘する日々を送っています。最後に宣伝になりますが、毎月第2火曜日の17時30分より当院外来にてスキンケア・栄養の勉強会を行っております。5年以上前から行っておりもう回を重ねて60回以上となっております。ご興味のある方は是非ご参加下さい。(詳しくは当院ホームページhttp://www.haradoi-hospital.comをご参照下さい)若手勤務医からのメッセージ鈴木 秀明産業医科大学耳鼻咽喉科学講座川上 康修原土井病院内科

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