勤務医のつどい vol.45
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ともに語ろう、ともに考えよう、ともに行動しよう⑵勤務医のつどい シンポジウム ──「ともに支える〜医師のワークライフバランス」 勤務医と違って、開業医が医療現場において、男女差別を感じることはあまりない。むしろ、男女関係なくお役が回ってこない方がいいなと密かに願っている。困るのは、プライベートに仕事が入り込んでくることである。家事・育児・介護が、医師個人にあることを、世間は認めたくないかどうかは別として、医師だから当然と無視してきた。高度成長期のように、家事や育児をしてくれるような人を雇えるような十分な収入があればいいが、段々それも難しくなってきている。結婚出産が遅ければ、体力が落ちているにも関わらず、育児と介護が一緒にやってくることだって考えられる。女医の結婚相手が、男性医師が多いのも、困難を大きくしている。開業医は、大部分の勤務医と違って経営も考えなくてはならない。人事も結構しんどいものがある。日中遊んで暮らしているわけではない。それ以外に、休日夜間センターの出務、検診の出務、義務研修会への出席などなど、結構しばりがある。育児・介護は予定外のことが起こる。子どもは、免疫力が大人並になるまで、しょっちゅう感染症を繰り返す。心身が成長する成長期に、例え親でも、人任せにするのも心配である。介護は、徘徊・行方不明、暴力行為、火の不始末、病状の悪化など、繰り返す認知行為で精神的にも疲弊しているところへ、予定外のことで振り回される。 これらのことを踏まえ、これからのワークライフバランスを、皆さんと共に考えていきたいと思う。開業医からみたワークライフバランス男女共同参画部会委員会委員長/池田医院院長 香月 きょう子 九州大学病院きらめきプロジェクトは出産・育児、介護、自身の病気などのために、これまでキャリアを中断していた医師・歯科医師が、このような人生のイベントを抱えながらも九州大学病院で働き続けることができる環境を整備することを目指しています。現在、きらめきプロジェクトでは医師8人と歯科医師4人が子育てをしながら非常勤として生き生きと働いています。このプロジェクトの前身は平成19年から九州大学病院で始まった文部科学省大学改革推進事業「女性医療人きらめきプロジェクト」です。平成19年から3年間に30人以上の女性医師、歯科医師、看護師がこのプロジェクトで家庭と仕事の両立を図ることができ、専門医資格や博士号等を取得しました。常勤へと復帰した方もいらっしゃいます。この成果のおかげで22年度からは女性だけでなく男性にも対象を広げ、九州大学病院がきらめきプロジェクトを続けることになりました。看護師支援は「看護実践力ブロッサム開花プロジェクト」に引き継がれております。このプロジェクトを推進するために九州大学病院きらめきプロジェクトキャリア支援センターを立ち上げました。22年7月に開催した九州大学病院きらめきプロジェクト講演会では「女性医療人支援のこれまでとこれから」と題して岡山大学病院での同様の取り組みを紹介しました。医学科や保健学科、歯学部学生と先輩医師との交流会も定着し、11月に「共に歩む医療の道」〜きらめきプロジェクト イクメン参上〜と題して育児と仕事を両立させているすばらしい男性医師、歯科医師に講演を戴きました。たくさん集まった男子学生さん、男性教職員の方にも刺激的でした。23年2月にはスタッフ発表会も予定しております。九州大学病院の取り組みとして皆様の力をお借りしながら内外にこのような取り組みを広げて行ければと願っています。今後とも、ご支援のほどよろしくお願いいたします。九州大学病院きらめきプロジェクトのこれから男女共同参画部会委員会委員/九州大学医学部 樗木 晶子家庭の男性の家事時間の少なさは、少子化対策に成功した先進諸国に比べ、格段に少ないのです。 日本で変わる兆しが見えたのは去年でした。2010年、「イクメン」という言葉が流行語大賞に選ばれました。やっと、日本でも若い世代から男性の家庭参画に目が向くようになってきました。「男は仕事、女は家庭」の価値観が続いていけば、女性はスーパーウーマンでなければ仕事はできません。これでは、未婚化晩婚化は解消されません。いまの日本で夫だけの片働きでは、やっていけません。若い世代の価値観が変化してきたこの時期に、大きく社会が変化していかなければと思います。経済の停滞は、子どもの数が減り、生産年齢人口(15歳から64歳)、つまり、仕事をし、消費する現役世代の人口が急激に減少しているからだと言われます。日本の元気のなさを解消するには、将来を見据えて、まず、男女共同参画から手をつけるべきです。私たちひとりひとりの価値の転換が必要なときです。

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